父の日の前日の涙の謝罪。
6月の第3日曜日、それは父の日。
父という称号を与えてもらってから、かれこれ6回目の父の日。
その日は毎年僕にも平等に訪れるわけで。
あ、どうも『ろくすけ』です。
そんな父の日の前日、いつも通り子供たちを保育園に迎えに行き、風呂に入れ、夕飯の準備をする。その日は土曜日。毎週土曜日は僕が勝手に設定している「刺身の日」。刺身を酒のあてに晩酌を楽しむわけ。贅沢してられる経済状況ではないので、土曜日だけのお楽しみ。買ってきたスズキの刺し身とボイルイカを適当に皿に乗せて、食卓へ並べる。嫁は研修先から戻らないので、娘1・2「まなかほ」と3人で食事をすすめる。そんな矢先、娘1「まなか」が神妙な顔をしてこちらを見ている。
「"うんち" か?」
首を横に降るので、どうやら"うんち" じゃないらしい。するとね、その神妙な娘1「まなか」の瞳から涙がこぼれた。
「あにょの、あににゃね、おにょうにおねなになにょうにょおにょんな・・・」
口の中に食べ物が入ったまま泣きながら喋るので、何言ってるかわからない。しかも嗚咽のサービス付き。とりあえず落ち着かせて、何が言いたいのか確認すると。
「明日、おどぉにお手紙書こうと思ったんだけど、大事なお友達に手紙を書かなきゃいけないの。だから、おどぉは我慢してね。ごめんね。」
あ~明日、父の日か。手紙をくれようとしたんだね。ふむふむ。友達も大切だから仕方がないか。。。ま、気持ちだけでも嬉しいしな。後日改めてくれんのかな~と期待しながら、と、娘1「まなか」を慰めた。
さ~て、刺し身でも食うか~と皿を見ると
スズキの刺身がね~よ!
と、横を見ると娘2「まなほ」が最後の刺身の二切れを口に入れようとしている。
「お前、刺身全部食う気か?」
「じゃ、おどぉに半分こしてあげるね」
え!?
「ありがとうは?」
「あ、ありがと」
「どういたしまして~」
なんか腑に落ちない気がするが、仕方がないのでスズキの刺身を一切れ口にする。そして第3のビールを流し込む。うめ~。うめ~よ。たまりませんな。プチ贅沢。じゃ、次はボイルイカだ!
ん?なんだこのイカは?ぐちゃぐちゃで原型とどめてね~し。
「おどぉ、これ骨はいってるし、噛みきれない」
やはり、娘2「まなほ」よ。お前の仕業か。。。スズキの刺身だけじゃなく、ボイルイカまで。。。そして中途半端に噛み砕いて放置。
食えねえなら食うな!
イカさん。あと2匹しかいないし。悲しいな。。。あいつ、何匹も食わないと噛みきれないの分かんね~のかな?ま、何事にも挫けずチャレンジする心意気は素晴らしいんだけどね。
仕方がないから、娘2「まなほ」が噛み砕いたイカを食うしかねぇ。
あ~虚しい。明日、父の日なのに。。。
「あ、そうだ。娘2「まなほ」は明日、おどぉに手紙くれんの?」
「あげないよ?」
娘1「まなか」 → 泣いて謝罪
娘2「まなほ」 → さらっと「あげないよ」
なんなんだよ。この差。
娘2「まなほ」ムカつく! (`´)
。。。
さて、翌日。父の日。2階で着替えていると、ドタドタ階段を登る音が聞こえた。
「おどぉ!おみあげ~あげるぅ~」
お土産?どっか行ったけ?手渡されたビニールの包装の中身はソフトイカとミックスナッツ。酒のつまみじゃん。どうしたのこれ?
「ほ~ちゃんイカ食べたいから開けて!」
なんだよ。食いたいだけかよ。袋を開けて手渡すと、1階に消えていった。
何だったんだ?
1階に降りると、嫁が「なんで貰ったものあげちゃうの?信じられない!」って怒っている。「あ~あれは父の日のプレゼントだったのか」と、ここで初めて理解した。改めて娘1・2「まなかほ」に感謝の気持ちを込めて熱く抱きしめた。「つまみだけかよ。肝心のビールは?酒は?」と思ったが、あとから出てくるのを楽しみにしておくことにする。
で、今日現在。
やはり手紙はない。
ビールもない。
ない。ない。な~~~い。
やはり父として
まだまだ修行が足りないのだろう。。。
今夜は、食いかけのソフトイカとミックスナッツで第3のビール。
ほいじゃ。。。